9月1日(月)、紀伊國屋書店新宿本店3階の「新宿本店アカデミック・ラウンジ」で、ジビエイベント「実は身近で美味しい、ジビエの魅力に迫る会」が開催され、20名あまりの来場者が参加し、ジビエの説明に耳を傾けた。
このイベントは、JTBパブリッシング(東京都江東区)が運営する『editor’s fav るるぶキッチン』と、一般社団法人国産ジビエ認証機構(長野県諏訪市)によるもの。
『るるぶキッチン』は、地域食材のプロモーション、宣伝などに利用できる飲食・物販店。自治体からの依頼が主で、内容に応じてランチメニュー、ディナーメニューなどに組み込み、提供する。昨年11月に紀伊國屋ビルディング地下1階に移転し、集客も好調だという。
紀伊國屋のアカデミック・ラウンジは、2022年10月に新設されたオープンなイベントスペースで、本をテーマにしたトークショーなどを年間150回以上開催している。消費者により本を身近に感じてもらうことが目的で、著者や編集者を読者に接続させるイベントなどが多い。『るるぶキッチン』もこれまで3回、ガイドブックを介して旅と食をテーマのイベントを開催している。
今回のアカデミック・ラウンジでのジビエイベントは、『るるぶキッチン』とのタイアップが縁で実現したものになる。通常本をテーマにするため、今回のジビエイベントは例外とも言えるが、「書店は紙に印刷した本を販売するSDGsからはもっとも遠い業界のひとつ」(関係者)で、SDGsやエコロジーに関連したイベントは、同社にとっても意義のあるもののようだ。 イベントは2部構成になっており、前半は機構からジビエや狩猟の概要の講義、また、兵庫県たつの市の鹿・イノシシ等野生鳥獣を専門とする皮革事業者「A.I.C」の辻清氏が皮革利用の現状を講義するとともに、鹿革のコインケースを作るワークショップを行った。

ジビエ業界は、一般へのプロモーションが立ち遅れていることが課題。例えば、今回のイベントでも、紀伊國屋書店のアカデミック・ラウンジに参加しているような、比較的知的好奇心の強いタイプの人でも、鳥獣被害の現状やジビエの流通、規制についてはほとんど知るところが少ない。今回は機構が農林水産省の「令和7年度鳥獣利活用推進支援事業(利活用推進)」の枠組みを利用して実施するもので、新宿という一等地でのイベント、プロモーションがどのように奏功するか期待したい。このイベントに続き、『るるぶキッチン』では9月30日までランチ特集フェア「ジビエを食べよう」を実施。「いのしし肉と蒸し野菜のヘルシーランチ」(税込1580円)を販売。国産ジビエ認証施設が販売するカレーや混ぜご飯、缶詰などの物販も行われる。

