鹿の骨を使ったガラス「漉青(ろくしょう)」活動が本格化

海を閉じ込めたようなガラス「OBAMA blue」で知られるガラス工房「KEiS庵」が、鹿の骨を使ったガラス製品のプロジェクトを本格的に開始する。

KEiS庵のガラス作家、KEIKOさんは沖縄での琉球ガラスの修行を経て、2008年に工房を開設。2019年から小浜の砂浜の砂、名産の若狭牡蠣の牡蠣殻、「よっぱらいサバ」の骨を材料に使ったガラスの研究に取り組み、小浜の海のような青いガラス「OBAMA blue」の開発に成功、2022年から本格的に製造、販売を開始している。

鹿の骨は、その研究過程で材料のひとつとして取り上げられたもので、透き通ったガラスに白濁が入り、色が柔らかくなるのが特徴。また、製造過程においては、粘度がやや下がるため、造形などにも工夫が必要のようだ。

KEIKOさんによると、OBAMA blueの人気製品である風鈴を、鹿ガラスで作ると、音色が少し柔らかくなるとのこと。また、鹿ガラスの器は、光を透過させたシルエットに独特の風情があり、この影を見て気に入って購入する客もいるという。

KEIKOさんはこの鹿ガラスを「海のOBAMA blueに対して、山のガラス」であるとし、このほど、このガラスを「漉青(ろくしょう)」と名付け、本格的に製造販売に取り組んでいくことを明らかにした。